ステップワゴンはホンダから製造、販売されているミニバンタイプの乗用車です。
従来なら、ミニバンタイプの自動車といえば商用を目的としたものが主流でしたが、自家用車としてオーソライズしたパイオニア的存在といえる自動車です。
従来のミニバンは、前述のとおり、商用を目的とした自動車が主流でした。
商用のミニバンは、床にエンジンを搭載するという構造を採用していました。
しかし、ステップワゴンは他のタイプの自動車と同じように、エンジンをフロントに配置することで、低床を実現させたのです。
目次
■床が低くなることのメリットとは?
低床とすることで、様々な利点が生まれました。
まず、乗車がしやすいという点です。
これは、自家用として利用するユーザーにとってはとても有難い構造で、また、画期的な構造と言えるでしょう。
乗車がしやすいということは、小さい子供からお年寄りまで幅広い年齢層が乗りやすい自動車となったのです。
そして、低床とすることで室内の天井高が高くなりました。
開放的な室内空間の構築に成功したのです。
元来、ミニバンタイプの自動車は、室内空間が広いことで知られていますが、それをさらに開放感のあるものへと昇華させたのです。
室内空間の天井が高いということは、室内の移動が容易に出来るということに繋がります。
通常の乗用車なら、一度乗車してしまうと室内を移動することは困難です。
それを可能にしたことは大きな功績と言えるでしょう。
■ステップワゴンが爆発的ヒットを記録したわけ
ステップワゴンが登場したのは1996年です。
当時としては斬新だった
- 自家用車としてのミニバンスタイル
- 低床仕様
- 三列シートのグレードが用意
- 価格が手頃であった
などから、爆発的なヒットとなりました。
爆発的なヒットを記録した背景には、スポーツクーペタイプの自動車の人気が衰退し、消費者が実用性のある自動車を求めだしたことが挙げられます。
その需要に見事に応えた形となった訳です。
そして、乗用車におけるミニバンというジャンルを確立することになったのです。
初代は4ドアミニバンとして発売されました。
前部のドアは左右に開きますが、後部のスライドドアは左側のみの設定となっています。
これは、日本の道路交通が左側通行ということに起因しています。
その後、モデルチェンジが重ねられました。
衝突安全性が向上されたり、サスペンションといった足回りが改良されたり、より一層低層になったりしました。
大きな変更点は、初代ではシフトレバーがコラムシフトでしたが、二代目からはインパネシフトに変更されました。
インパネシフトに変更したことにより、コラムシフトを運転したことがない人たちや、コラムシフトの操作に自信が無い人たちを取り込むことに成功したのです。
ボディの改良や操作性の向上により、より多くの売り上げを獲得することになりました。
■スパーダと呼ばれる派生モデルが誕生
そして、二代目からスパーダと呼ばれる派生モデルが誕生しました。
スタイリングはノーマルのものよりアグレッシブなデザインになっています。
専用のフロントグリルやフェンダーなどがスパーダには装備されています。
この独創的なエアロフォルムは、登場時から大きな話題となり、人気を博しました。
このノーマル仕様とエアロ仕様を用意するという考え方は、後に多くの自動車に影響を与え、お手本となりました。
■ボディ剛性が高まった3代目ステップワゴン
二代目からさらにモデルチェンジが行われ、三代目となって遂に後部スライドドアが両開きの仕様となりました。
これは、自動車のボディ剛性を高めることに成功した為です。
ドアは自動車にとって構造上の弱点となります。
特にスライドドアといった大開口のドアになりますと尚のことです。
その構造上の弱点を克服することが出来たため、両開きのスライドドアが実現可能となった訳です。
この両開きスライドドアが大きな変更点と言えるでしょう。
それ以外にも、より低床化が図られ、内装の質感も向上されました。
そして、スパーダも二代目にモデルチェンジされ、よりアグレッシブなフォルムとなりました。
ノーマル仕様とスパーダとの差別化がより明確になった訳です。
さらに、ハイテク機能も三代目でより充実させてきました。
衝突軽減ブレーキやクルーズコントロール、横滑り防止装置といった装備が搭載されたのです。
そして、モデルチェンジが行われ、四代目、五代目へと進化を遂げたのです。
■ミニバンの草分けであるステップワゴンは今後も進化する
ステップワゴンは、モデルチェンジを重ねる度に、確実に進化を遂げている自動車です。
低床ミニバンのコンセプト通り、低床化を続けていますし、操作性を向上させたり、使い勝手を向上させたり、そしてボディ剛性を高めて両開きのスライドドアを実現させたりと、常に時代のニーズよりも一歩先を行くミニバンです。
また、現在では当たり前となった自家用車におけるミニバン市場を開拓したことも、大きな功績と言えるでしょう。
ステップワゴンは、常に人々の気持ちを考え、それを形にし、人々に優しく寄り添うようなミニバンであると言えるでしょう。
※「ステップワゴン 買取り」より一部抜粋
最終更新日 2025年5月8日 by ntwerpint