アソビコインは話題になっている仮想通貨・暗号通貨の一種で、日本のアソビモ株式会社が発行した比較的新しい通貨です。
日本企業初の仮想通貨・暗号通貨ということもあり、日本国内では特に注目を集め話題となりました。
目次
発行元のアソビモ株式会社について
発行元のアソビモ株式会社は2007年設立の企業で、オンラインゲームを柱に事業を展開してきたのが特徴です。
つまり、ゲームを通してオンライン技術に精通しており、サービス運営で培われてきた技術が仮想通貨・暗号通貨に活かされているといえます。
ちなみにアソビモ株式会社が運営するゲームのプレイヤーは月間1000万人以上といわれており、今後も増えていくのではないかと見られています。
オンラインゲームを始めとした開発力、サービス提供の技術力を併せ持つ企業なので、アソビコインの誕生はある意味で必然的だったのでしょう。
この仮想通貨・暗号通貨を発行するに至った理由には、デジタルコンテンツの売買実現と促進が挙げられます。
アソビモ株式会社は要らなくなったデジタルコンテンツを再利用できるようにする為に、ブロックチェーン技術で再販を可能にしようと考えたわけです。
従来のデジタルコンテンツは、購入したものを他のユーザーに再販したり、譲渡できないのが当たり前でした。
デジタルコンテンツの再販が難しい理由
フルプライスのゲームをイメージすると分かりますが、パッケージ版は買取やフリマ、ネットオークションなどで販売できるものの、ダウンロード版はそれが不可能です。
アソビモ株式会社がアソビコインでやろうとしていることはまさに、このダウンロード版をパッケージ版のように扱うことです。
デジタルコンテンツの再販が難しいのは、データが複製可能なものでいくらでも増やせてしまう点に理由があります。
しかし、ブロックチェーン技術を活用することで、複製に制限を掛けて再販できるようにできます。
それこそがアソビモ株式会社の狙いで、対象をゲームだけでなくデジタルミュージックや電子書籍などにも広げています。
また、ゲーム内のアイテムの個人売買も目的の1つですから、デジタルコンテンツの個人間取引が加速する予感を感じさせます。
既にコインは160億枚以上発行されており、仮想通貨取引所の上場が予定されていましたが、残念ながら予定通りにはいかなくなったようです。
当初の計画では2018年にウォレットのサービス開始、2019年にマーケットによる電子書籍の二次流通が計画されていました。
2019年の後半には音楽や動画といったデジタルコンテンツの流通、ゲームでアソビコインを使えるようにする計画もありました。
現在は公式サイトが閉鎖されており、新しい情報を入手するのは難しくなっています。
アソビマーケット株式会社に代わりタップリアル株式会社が登場
公式のアナウンスがなく、情報が乏しいので判断は難しいですが、アソビマーケットを運営するアソビマーケット株式会社に代わりタップリアル株式会社が登場しました。
アソビマーケット株式会社はタップリアル株式会社の旧名称なので、引継ぎが行われて計画が再開される可能性が考えられます。
ただ、それなら情報を発信するのが公式の責任ですから、何の発表もないことから、アソビコインに注目している人達の間では少なからず不信感が募っている状況です。
このような状況に陥った切っ掛けは、金融庁による無登録での仮想通貨交換業に対する警告だといわれています。
2019年の6月に名指しで警告が行われているので、怖気づいたアソビモ株式会社は手を引いたものと推測されます。
無言でフェードアウトするように情報を発信しなくなったのは腑に落ちませんが、タップリアル株式会社にプロジェクトを引き継ぐなどして、仕切り直しを計画していると考えれば納得です。
アソビコインの性質を受け継いだ新たな仮想通貨・暗号通貨の発行
これから考えられるのは、アソビコインの性質を受け継いだ新たな仮想通貨・暗号通貨の発行で、登録を行い許可を得て正式に取引事業に参入する流れです。
発行されているコインがどうなるのかは分かりませんが、少なくとも取り扱いのある取引所は殆どありませんし、購入できるとしても手を出さないのが無難でしょう。
そもそも、流通が限られている仮想通貨・暗号通貨は値上がりに期待できませんし、投資目的で購入や保有を行う価値があるかは疑問です。
結局のところ理想ばかりが先行して上場や流通に失敗した印象ですが、デジタルコンテンツの売買というアイデア自体は素晴らしいものです。
このアイデアを眠らせておくのは勿体ないですし、もしデジタルコンテンツ売買のマーケットが誕生して利用が当たり前になれば、人々の生活は大きく変わることになり得ます。
現状だと手持ちのデジタルコンテンツは、消費を終えたらそれまでで価値を失ってしまいます。
まとめ
勿論、利用できる間は何度でも楽しめますが、パッケージ版のゲームのように再販できない事実は変わらないです。
ところが再販可能となればデジタルコンテンツは価値を損ねませんし、販売や提供が終わったコンテンツを手元に残しておけば、将来的に購入時より価格が上がることに期待できるでしょう。
そういう可能性や夢を見せてくれた仮想通貨・暗号通貨なので、計画が上手くいかなかったのは残念です。
最終更新日 2025年5月8日 by ntwerpint